今回のテーマである「追っかけ」は、有名人などを移動先まで追っかけていく熱狂的なファンのことではなく、AがBを追跡する「追っかけ(チェイス)」です。
小津安二郎監督は映画の発展について以下のように語っています。
映画というものはごく最近育ったもので、一番初めは善玉と悪玉の追っかけの動きだけ。それから人間の感情が映画に出るようになり、しばらくしてその感情がソフィスティケーションとなる。それがようやく人間が人間として描けるところまできたということで、ようやく文学と同じレベルに到達した。(田中眞澄編『小津安二郎戦後語録集成』、フィルムアート社、一九八九年、三七六頁)
これは小津監督が「追っかけ」を次第に退けていったということを意味しません。
小津監督は、たとえ「小津調」と評される「後期」の作品群であっても、「追っかけ」を自身の作品の礎として、映画表現を常に模索していった監督であるからです。
part1では、実際に「追っかけ」の場面を見つつお話します。
映画監督・小津安二郎に興味がある方やよく知らない方でもお気軽にご参加ください。
日時:12月3日(土)18:30〜20:30
場所:水曜文庫
〒420-0839
静岡市葵区鷹匠町2丁目1の7 つるやビル1F
参加料:一般 800円 学生 500円
定員:12名(予約優先)
申込:水曜文庫(054-689-4455、suiyou-bunko@lily.ocn.ne.jp)
または当日会場に直接